育児・介護休業規定 改正の留意点(令和4年10月1日前に改正する場合)

令和4年10月1日に施行される、「産後パパ育休(出生時育児休業)」及び「柔軟な育児休業制度(分割取得等)」について、

令和4年4月1日の施行に合わせるなど、令和4年10月1日前に育児・介護休業規定に導入することは差し支えありません。

その場合の留意点があります。

令和4年10月1日より前に、これらの規定により育児休業を取得すると、現行の育児・介護休業法に基づく育児休業に該当しない場合があります。

※育児休業給付金についても対象となるのは令和4年10月1日からです。

そのため、適用日の特例を設け、法改正施行日までは現行法に基づく規定で運用する方法が考えられます。

現行法の育児休業に該当しない例

<例1>

子の出生日:令和4年2月1日

・産後パパ育休(1回目):令和4年2月1日~2月14日

 →現行法に基づく育児休業に該当

・産後パパ育休(2回目):令和4年3月1日~3月14日

 →「育児休業の申出可能回数は原則1回のみだが、出生後8週間以内にした最初の育児休業は、申出回数に含めない」という現行法の特例に該当

・育児休業(1回目):令和4年6月1日~6月30日

 →特別な事情(配偶者の死亡、離婚等)がある場合を除き、現行法の育児休業に該当しない

・育児休業(2回目):令和4年9月1日~9月30日

 →特別な事情(配偶者の死亡、離婚等)がある場合を除き、現行法の育児休業に該当しない

上記に関して、すべての休業を現行法に基づく育児休業とするためには、以下のように

出生後8週以内の育児休業と、出生後8週以降の育児休業を、それぞれ1回にまとめる方法が考えられます。

<例2>

子の出生日:令和3年2月1日

・配偶者の育児休業:令和3年3月30日~令和4年1月31日(子が1歳に達するまでの休業)

          令和4年2月1日~4月30日(保育所に入所できない等の事情による1歳超えの休業)

・本人の育児休業:令和4年5月1日~7月31日

 →本人の1歳を超える育児休業は、現行法の要件(開始予定日は1歳の誕生日に限る)を満たさないため、

  現行法に基づく育児休業に該当しない

現行法に基づく育児休業とするためには、以下のように1歳を超える育児休業の開始日を、子の1歳の誕生日とする方法が考えられます。

就業規則・労使協定での記載方法

育児・介護休業規定、労使協定の規定例

群馬労働局より参考規定例が発表されています。

就業規則に関しては、令和4年4月1日改正部分のみを変更する場合、令和4年4月1日と令和4年10月1日施行分両方とも変更する場合

労使協定に関しては、育児休業中の「就業無し・申出期限は法定通り」の場合、「就業有り・申出期限を延ばす」場合

などの作成例が記載されています。

適用日の特例

令和4年10月1日より前に令和4年10月1日施行開始の育児休業を取得すると、現行法に基づく育児休業に該当しない可能性があります。

そのため就業規則に下記のような適用日の特例を設け、法改正施行日までは現行法の規定で運用する方法を考えます。

令和4年4月1日以降の育児・介護休業法の各改正点については、詳細を下記コラムにて解説しております!

(参考:群馬労働局 ホーム | 群馬労働局 (mhlw.go.jp)